それは禁断という愛
昼間、里中さんを見る事はなかった。

今日は、外回りだそうだ。

「美麻さん。」

顔を上げると、怜奈ちゃんがニヤニヤしながら立っていた。

「なんかいつもより、里中さんのデスク見てないですか?」

「そうかな。」

怜奈ちゃんは私に近づくと、そっと耳打ちした。

「里中さんと、何かあったんですか。」

「え?」

さすが怜奈ちゃん。こういう事には、早く気付く。

「この前、3人で飲みに行った時、里中さん。ずっと美麻さんの事、見つめてたんですよね。」

「そ、そうだった?」

「やあだ。美麻さん、あんなに見つめられてたのに気づかないなんて、鈍感ですよ。」

怜奈ちゃんは、私の背中をポンと押した。

「今度、デートに誘われたりして。」

楽しそうに話す怜奈ちゃんには、話しておいた方がいいかな。
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