ヤンキー高校に転入した私
紗里奈は閃爆のヤンキーに担がれていた。紗里奈は暴れることなくぐったりしている。

「……話が違うだろ。」
「約束を破ったのは君ですよ。薫さん。」

紗里奈は満の足元にドサリと落とされた。周りを見れば、いつの間にか閃爆の連中に囲まれていた。

「紗里奈を返してくれ。返してくれたら、俺は手を出さない。」
「はぁ?お前1人で何ができんの?仲間はみーんな、大和んとこだろ?」

薫は大きくため息をついた。そして学ランのボタンをすべて外し、丁寧に袖を捲り上げた。

「仕方ねぇな。話はこいつらをやってからだ。」
「何言ってんだ。」

余裕をかましていた満だったが、薫の動きに目を見張った。あれよあれよという間に、手下たちが倒れていく。

「なんなんだよ、お前は!」

満は奥歯を噛み締めて薫を睨みつけた。そして思いついたかのように視線を地面に落とした。

「こいつがこっちにいる限り勝ちだな。ははは。」

満はニヤニヤと笑いながら床に横たわる紗里奈のそばにしゃがみ込んだ。

「紗里奈から離れろ!ぅっ……」
「あーあ。武器相手に素手でやるからそんなことになる。列蘭ってほーんと馬鹿ばっか。」

薫は膝をついた。

「満……てめぇ……」
「ふ、ははは!こいつは渡さねーよ!列蘭の大和を倒す切り札だからな!はははは!」

満は気味悪く笑いながら紗里奈のブラウスに手を伸ばした。

────!

その瞬間、薫の横を矢のような物が通り抜けた。けたたましい音が聞こえて顔を向けると、吹き飛ばされた満が壁に体を打ちつけて床に倒れ込んでいた。
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