歪んだ月が愛しくて3



ジリジリと、肌がひりつく眩しい光。



……暑い。暑過ぎる。

こんな日に屋上に出るなんてバカがやることだ。



あれ?つまり俺はバカ?

未空と同じってこと?

それはちょっと嫌だな…。



まあ、何はともあれ寒いよりかはマシだけど、いつまでもここにいたら干物になるのは確実だ。



ああ、早く部屋に戻りたい。

クーラーがガンガンに効いた部屋でごろごろしていた。



でも約束は約束だ。
彼等が俺の願いを叶えてくれるなら俺も約束を守らなければいけない。



それが正に今、目の前で行われようとしていた。



「「「すいませんでしたっ!!!」」」



三つの図太い声が屋上に響き渡る。

彼等はカナと西川くんの目の前で腰を90度に曲げて頭を下げた。



「へ?」

「……何これ?意味分かんねぇんだけど」



2人が困惑するのも当然だ。
いきなり屋上に呼び出されたかと思えば前置きなく謝罪されたんだもん。それも自分をイジメていた連中から。



そんな彼等を屋上の隅で見守る、俺と“B2”4人。



「考えたもんだな、西川に謝罪することを条件に弟子にしてやるなんて」

「さっすが立夏くん!あのGDを飼い慣らしちゃうなんて立夏くんにしか出来ねぇよ!」

「これであの連中が大人しくなれば一石二鳥だね」

「そんなつもりはなかったけど、まあ何か成り行きで…」

「ふふっ、駒鳥らしいね」



俺らしい?

どこをどう見たら俺らしいんだろうか。

こんな自分らしくないことするんじゃなかったって寧ろ恥ずかしいくらいなのに。



「今までのこと…、散々酷いこと言って悪かった!」

「お前だけのせいじゃないって本当は分かってたのに、負けたことを全部お前のせいにして俺達ずっと逃げてたんだ!それなのにお前は勝つために努力を惜しまなくて、ムカつくくらい真っ直ぐで…、その上先輩達に好かれてるお前を見てると何かムシャクシャして八つ当たりしちまって…」

「今更謝っても遅いのは分かってる!でもごめん!もう二度とあんなバカなことはしない!約束する!」



こんなの柄じゃないのに。



どうかしてるな、俺も…。


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