婚約者が浮気をしたので即別れることにしたら、溺愛されることになりました。
 思わず大きく息を吐いて、渋い表情を浮かべた私にニールは困った顔になった。

「ごめん。僕も女性ならこんな男は、嫌だと思う。けど、浮気なんて絶対にしたこともないよ。ジェマ以外に好きだと言ったこともないから」

 ニールみたいに素敵な男性と付き合えば、こうなってしまうことはわかっていたのに、それを選んだのは私なのだ。

 こうなることを選んだのは、私。選択肢はいくつもあったはずなのに、ニールを選んだのは私よ。

 そうね。私がついつい彼を疑ってしまう気持ちを収めれば……彼とは上手く連れ添っていけるなら、譲歩するべきなのよ。

 ニールの浮気現場を見た訳ではないもの。

 母は父を愛していた。何度も何度も浮気をされて泣いても許していた。

 結婚後、豹変したのかというと、そうでもなくて、わかっていて結婚したのよ。

 それって、父を愛していないと出来ないことなのよ。

 そういう意味で、私はニールがたくさんの女性に病的に愛されていても、彼と結婚したいって思うわ。

「信じるわ。ニール……これからは、ちゃんと貴方の言い訳も聞く事にする。話す前から別れるなんて、もう言わないわ」

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