冷淡女上司を攻略せよ！～ヘタレ年下イケメン男子の恋愛奮戦記～

「その証拠に、誠は女の子にモテるでしょ？」

「そんな事ないよ。付き合っても長続きしないし」

本当は、モテるモテない以前に、姉貴以外の女に興味が沸かないだけなのだが……

「自信持ちなよ。そうすれば、誠は必ずモテるから」

「お、おお」

と返事はしたものの、今一自信は持てないし、女にモテたいとも思わなかった。

「よしよし。ここまでは前置きね？」
「前置き？」

ずいぶん長い前置きだなあ。っていうか、何の”前置き”？

「あなたと冬美が同じ会社で、しかも上司と部下の関係だなんて、びっくりだよね？」

なぜか姉貴は、主任の話を始めた。”前置き”の”本題は”は置き去りか？

「びっくりした。すげえ偶然だなって」
「私はね、偶然じゃなくて、運命だと思ったの」

「運命？　大袈裟だなあ。姉貴と亮平みたいにってか？」

「ううん。私達の場合は、亮の策略だから、運命もへったくれもないの」
「あー、そうでしたね」

亮平は偶然を装い、御曹司のコネを使って姉貴の会社に潜り込んだんだったな。