冷淡女上司を攻略せよ!~ヘタレ年下イケメン男子の恋愛奮戦記~
「そこまで言っておいて、それはないんじゃないの?」

「単なる憶測だし、あの子の名誉に係わる事だから……」

「そこを何とか、お願い!」
「あんた、口は堅い方?」
「もちろん」

嘘だけど。

「あくまでも私の憶測だから、絶対に人には言わないでよ? 冬美にも」
「お、おお。約束するよ」

「今日、冬美はね、栞を見て涙を零したの」
「それ、たぶん俺も見た」

主任にお茶を出した時、主任の目に光る物を俺は確かに見た。それが零れる程の涙で、栞を見て、というのは知らなかったけども。

「そうなの? だったら、あんたも想像したでしょ? 冬美が過去に妊娠して、堕胎したか流産したか、あるいは死産したんだろうって」

「へ?」

そんな事、全く想像してませんけど?
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