冷淡女上司を攻略せよ!~ヘタレ年下イケメン男子の恋愛奮戦記~
「それは姉貴の考え過ぎじゃないかな。あるいは飛躍し過ぎと言うか……」

「だったら、あんたは説明出来るの? 親友の赤ちゃんを見て、涙する理由を」

「ん……あ、そうか。きっと感動したんだと思うよ。つまり感動して、感極まって泣いたんじゃないかな?」

我ながら鋭い分析だと思い、たぶんドヤ顔をしたと思うのだが、

「感動する要素が、どこにあるわけ?」
「え?」

「私が出産した直後なら解るけど、2ヶ月も前なのよ? 私が困難を乗り越えての出産なら解るけど、困難なんて無かったし、悪阻や陣痛や産むときは辛かったけど、そんな話は冬美にしてない」

「うーん、確かに」

という事は、やはり姉貴の想像通りなのだろうか……

「ま、想像しても始まらないわね。行動あるのみよ」

「はあ?」

姉貴は”行動”と言ったが、誰が、どんな行動をするんだろうか……

「冬美の男嫌いを直し、悲しい過去を忘れさせ、可愛かった本来のあの子に戻す事。それをするのは……」

姉貴はそこで言葉を切り、もったい付けるものだから、釣られて俺も緊張し、ゴクッと唾を飲み込んだ。すると姉貴は、ビシッと俺を指さした。
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