冷淡女上司を攻略せよ!~ヘタレ年下イケメン男子の恋愛奮戦記~
「お、俺なのか?」
「そう。あんたよ」

「それは、なぜでしょうか?」
「理由は3つ。一つ目は、あんたはイケメンだから」

ああ、姉貴が”前置き”で言ったやつか。俺がイケメンだなんて、今ひとつふたつ、自覚してないけどな。

「二つ目の理由は、あんたには見込みがあるから」

「ちょっと待てよ。俺がイケメンだから見込みがあるって理由なら、一つ目と被ってないか?」

「違うの。さっきのあんた達の会話を聞いて、見込みがあると思ったのよ」

さっきの俺達の会話って何だろう。主任とはろくに話してないけどなあ。お茶を出して『ごゆっくり』『ありがとう』は会話とは呼べないし、他には、

「玄関での会話か? でも、あれは俺が一方的にバカにされたり、怒られたりしただけだろ?」

「ううん、そんな事ない。鈍感なあんたは気付かなかったと思うけど、冬美は意味深なフラグをいくつか立ててた」

「どんなフラグだよ?」
「それは……言わない。それこそ、”自分で考えれば”?」

「ちぇっ」

そんなのあったかなあ。全然わかんねえや。

最後の三つ目の理由は、さっきも言ったけど、あんた達が出会ったのは運命だと思うから。そして、冬美を本来の彼女に戻してあげる事は、あんたの使命なのだよ、誠君」

俺の、使命ねえ……
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