冷淡女上司を攻略せよ！～ヘタレ年下イケメン男子の恋愛奮戦記～

「誠、悪いけど、お茶の用意をしてくれる？ お母さんはいないから」

「お、おお。わかった」

俺はキッチンへ行き、客用の湯飲みを２つ出した。一瞬、３つ出そうかとも思ったが、姉貴と主任には積もる話もあるだろうと思い、自分の分は出さない事にした。

湯飲みに茶を注ぎ、それを盆に乗せて客間へ行った。そして湯飲みを主任の前に置いた時、主任は俯き気味にしたのではっきりではないが、主任の黒縁眼鏡の奥に、光る物が見えた気がした。

姉貴の前にも湯飲みを置き、「ごゆっくり」と言うと、二人からほぼ同時に「ありがとう」と言われ、俺は２階の自分の部屋へ行き、ベッドに仰向けで寝転んだ。

もしかして、主任は泣いてたのかなあ……