冷淡女上司を攻略せよ!~ヘタレ年下イケメン男子の恋愛奮戦記~
「もう夜だから、いいんだよね?」

確か冬美さんは、『夜まで待って』と言っていたはずだから。

すると冬美さんは、俺の首に腕を回してしがみ付き、顔を真っ赤にして、

「うん、いいよ」と言った。

俺は冬美さんを抱いたまま寝室へ行き、ドアを開けるのは少し大変だったけども、ベッドへたどり着くと、冬美さんをそっとそこへ降ろした。その時、冬美さんのサラサラな髪が枕にフワッと広がり、綺麗だなあと思った。

俺はリモコンで寝室の明かりを点け、冬美さんに覆い被さったのだが、

「恥ずかしいから、暗くして?」

と、冬美さんにお願いされてしまった。

しかし、俺が抵抗出来ないのは、冬美さんの『お願い』という言葉であり、今回はそれが無かったので、

「却下。冬美さんを、ちゃんと見たいから」

と断った。実際のところ、俺は冬美さんの一糸まとわぬ姿を、どうしても見たいと思った。

ただ、冬美さんがどうしても嫌と言うなら、それはまたの機会でいいかな、とは思っていたのだが、

「もう……」

と冬美さん言い、俺は『しょうがないんだから……』の言葉を勝手に付け足し、つまり承諾と見なし、「もう」の形をしたままの冬美さんの口を、素早く俺の口で塞いだ。
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