冷淡女上司を攻略せよ!~ヘタレ年下イケメン男子の恋愛奮戦記~
「もしかして、姉貴も俺の事を……?」

「やめて。そういう話をしたいんじゃないの。今のは忘れて。忘れなさい」

「あ、うん」

返事はしたものの、忘れるなんて無理だ。あまりに衝撃的すぎる。姉貴も俺の事を、気に掛けてたなんて。でも、忘れる努力は必要なんだろうな、と思った。お互いのために。

「私が言いたいのは、私のせいで誠が自信を無くしたとしたら、それを謝りたいし、誠には自信を持ってほしいのよ」

「姉貴のせいじゃないよ。確かに姉貴の言い方はきつい所があるけど、間違ってはいないから。俺なんか……」

「ああ、やっぱり私のせいだわ。ごめんなさい!」

姉貴は俺を向き、深く頭を下げた。姉貴にそんな事をされたのって、たぶん初めてだと思う。

それはそうと、姉貴の言ってる意味が、俺にはさっぱり解らなかった。

「誠、あなたはね、本当は……イケメンなのよ」
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