四神の国の朱雀さま
後日談~颯真と側近(颯真side)~
朱雀さまは、救世主だ。
異世界に通じる穴に落ちた僕を助けてくれたこともそうだけど、友だちも家族もいなくて辛かった僕を救ってくれたのが朱雀さまだった。
朱雀さまは、優しい人だ。そんな朱雀さまの役に立ちたいと思った。
朱雀さまからの提案は、僕の人生を大きく左右するもの。
普通の人間として生きるか、人間を捨てて神の側近として生きるか。
僕は、神の……いや、朱雀さまの側近として長い年月を生きることを選んだ。
「しっかし、思い切った選択をしたのぉ。颯真殿」
朱雀さまの側近になると決めたその日、僕は朱雀さまに連れられて、麒麟さんの住む島へとやって来た。
そして、麒麟さんと2人で話をすることに。
「僕は、自分がどうなろうと一生朱雀さまに着いていくと決めていたので」
「忠誠心が凄いの。本当に、良かったのか?この道を選んで。神の従者になるということは、人間を捨てるのと同じような意味だぞ?」
「承知の上です。朱雀さまから、すべて聞いた上での選択です。後悔は何もありません」
「……そうか。まぁ、魔力持ちとして生まれた時点で、お主は神の側近になる運命だったのかもしれぬな」
はっはっはっ、と麒麟さんは豪快に笑う。