四神の国の朱雀さま
……何だろう……周防凛としてのイメージがあるからか、違和感しかないんだけど……。

「……して、颯真殿。お主は、まだ神の側近にはなってはおらん。今なら、引き返せるが……どうする?」

麒麟さんが、真剣な顔を僕に向ける。

そんなの、もう決まっている。僕は、側近になる道を選んだんだ。もう、引き返さない……引き返したところで、苦しい生活が待っているだけだ。

「僕は、引き返しません。朱雀さまの側近になります」

「……本当に、颯真殿は面白い奴よの。奏斗(かなと)!」

麒麟さんが誰かの名前を呼んだ。後ろから「はい」という声が聞こえてきて、僕は振り向く。

黒い髪に黄色の瞳の男性が、そこにはいた。

「奏斗。そやつを連れて、従者の儀を」

「かしこまりました」

ぺこりと頭を下げて、男性は僕についてくるように促す。

「……俺は、奏斗。今から300年ほど前に神の従者になった元人間だ。ずっと麒麟様に仕えている」

さ、300……!?

「……大分、長生きですね……」

「そりゃ、神の従者だからね。神と同じ年月を生きる。そう、麒麟様や朱雀殿も言っていたでしょう」

「……そうですね。ただ、300年なんて数字が出てくるとは思わなくて……」
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