ひとつ、ふたつ、ひみつ。
せめて、同じクラスじゃなかったらバレなかったのに。

怖くてポケットから出せないけど、ずっとスマホがブルブルと震えているのは、あっくんからの怒りのメッセージが連続で届いているせいだと思う。

私の手を取る、真尋くんの手にギュッと力がこもったのが分かった。

その表情は、唇を結んでムッとしていて、真尋くんらしくない。

「……真尋くん?」

「こまり、俺の前で幼なじみくんの話、やめない?」

「──!?」

み、耳に囁いた……!

「な……、み、耳っ、さ、ささやく必要はなくない……!?」

「こまりが、小さな声で話そうって言うから」

「い、いったけど……!」

その衝撃で、何を言われたのか全て吹っ飛んでしまった。

今、真尋くんがあっくんに対してヤキモチをやいたっぽかった、ような気が。
あれ? 幻聴?
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