ひとつ、ふたつ、ひみつ。
真尋くんの話口調は、すっかりいつも通りに優しくて、やわらかくて、それだけで少し安心する。

だって昨日は、なんか……。

顔がぼやけるくらいの、近距離。
まともに言葉も発せないくらいの、唇の感触。
表情も、真尋くんじゃないみたいで。

脳が勝手に反芻(はんすう)して、ギュッと心臓の動きが上昇する。

ば、ばか、思い出すなってば!

「んー……、眠れなかったのは、こまりと同じ理由だと思うよ」

「そ、そんなわけないよ……。だって私と同じだと、それじゃ……」

それじゃあ、真尋くんの心臓だってドキドキしてないとおかしい。

「なんで? 同じだよ」

「!!」

ただでさえ密着しているのに、抱きつく力をますます強くされて、声にならない驚きが喉から漏れる。

ほら、やっぱり。こんなことをされて、うるさいのは私のドキドキだけ。

ずっと、背中にも心臓があるみたいにドキドキしていて……──。

……あ、れ?
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