ひとつ、ふたつ、ひみつ。

「だから、今日は学校休むね。ごめんね、あっくん」

『本当に大丈夫か? こまり、お前、なんか声が……』

「うん、ちょっと休めば治ると思うよ」

『たまに、母さんにお前の様子見てくれるように頼んでおくから』

「そこまでしなくても、平気だってば」

『いっそのこと、お前が俺ん家で寝てればいいんじゃねーのか』

「もう、子どもじゃないんだから。あっくん、本当にママみたい」

『おい』

「あ、性別的にはパパなのかな。でも、私、パパってどんなのかよく知らないし」

『そっちじゃねぇ。だからお前は60点なんだ』

それ、電話口でも言うものなんだ。
直接会う時だけだと思ってた。

あっくんに対しての仮病の電話を終えて、スマホの通話終了のボタンをタップした瞬間、ドッと汗が吹き出た。

き、緊張した……!

直前まで泣いていたから、その涙声を風邪声だと思ってくれたみたいで、上手くごまかせたけど。

良心が、痛む。
嘘ついてごめん、あっくん。
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