ひとつ、ふたつ、ひみつ。
質問をしたのは真尋くんの方なのに、私の即答の勢いが意外だったのか、驚いた顔をしている。

「……そうだよね。今まで何も考えてなかったけど、普通は嫌だよね。うん。私、ちゃんとあっくんに話してみる」

「……」

「えっ? な、なに?」

真尋くんは無言で、もう一度強く抱きしめた。

「苦しいよ、真尋くん」

「ごめん、なんか俺、かっこ悪くて」

「え? かっこ悪くないよ。今日もめっちゃかっこいい顔がついてるよ?」

「あはは、こまり、俺の顔好きだったの?」

「顔だけじゃないけど……」

顔も好きですけど。
初対面の時から、ずっと好きな顔でしたけども。

「幼なじみくんだって、かっこいいじゃん。こまりのこと、大好きみたいだし。俺が一緒にいられない時間全部、ふたりでいるのが嫌だなって思った。……ほら、かっこ悪い」
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