ひとつ、ふたつ、ひみつ。
「で? どうだ、ひとり暮らし。なんか困ったことないか? “いつも困ったこまりちゃん”?」
「やめてよ、その呼び方~。あっくんのせいだからね、小学生の時からずっとそれで男子にからかわれてたの」
ニヤニヤ笑って近づくあっくんの顔を、手のひらで押し退ける。
くそぅ。こんなにでかく育っちゃって、手が届きづらい。
「困ってないよ。好きな時間に食べて寝て、めっちゃ快適だもんね」
「どうせ、それはいつものことだろ。だから、頭こうなってんのか」
後ろ髪に寝ぐせがあったらしく、あっくんが撫でてくれる。
「え? い、いいよ、自分でやるから」
「後ろ、見えないだろ。よし、さっきよりマシになった。90点」
寝ぐせの点数、大きいな。
残りの足りない10点も気になる。
気楽なひとり暮らし。
……の、はずなのに、隣の幼なじみがママみたい。
私に変なあだ名を付けた、小中一緒だった幼なじみは、高校まで一緒。
私はため息をついて、一歩先を行く背中を追いかけた。
「やめてよ、その呼び方~。あっくんのせいだからね、小学生の時からずっとそれで男子にからかわれてたの」
ニヤニヤ笑って近づくあっくんの顔を、手のひらで押し退ける。
くそぅ。こんなにでかく育っちゃって、手が届きづらい。
「困ってないよ。好きな時間に食べて寝て、めっちゃ快適だもんね」
「どうせ、それはいつものことだろ。だから、頭こうなってんのか」
後ろ髪に寝ぐせがあったらしく、あっくんが撫でてくれる。
「え? い、いいよ、自分でやるから」
「後ろ、見えないだろ。よし、さっきよりマシになった。90点」
寝ぐせの点数、大きいな。
残りの足りない10点も気になる。
気楽なひとり暮らし。
……の、はずなのに、隣の幼なじみがママみたい。
私に変なあだ名を付けた、小中一緒だった幼なじみは、高校まで一緒。
私はため息をついて、一歩先を行く背中を追いかけた。