ひとつ、ふたつ、ひみつ。
扉に耳をつけて、遠ざかっていく足音を確認。

……よし。

「どうしたの、こまり。学校に行くの、やめたの?」

「ううん、行くよ」

私は、真尋くんが右手に持っている、スクリーンデバイス──スクデを指さす。

「それ、私が使えば、学校の屋上に一緒にワープ出来るんじゃないかな?」

好奇心、ほぼ100%。

私なら、平日毎日通っている学校を、頭にイメージすることなんて簡単。

だから。

「真尋くん、一緒に学校に行こうよ」

私は、初めて自分から真尋くんの手を握った。
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