ひとつ、ふたつ、ひみつ。
今、何か落ちたような音が……した?

場所的には、リビングに繋がっているベランダから聞こえたと、思う。

上から落ちてくるもの。
上の階の洗濯物?
ううん、もっと重たそうな音だった。

空を飛んでる鳥?
それよりも、もっと。

まさか……人?
なんて。

「……っ」

ごくんと息を飲みこんで、玄関の傘立てから、護身用に傘を一本。

万が一不審者がいるなら、大声を出せば隣のあっくんのママに聞こえるはず。

両手で構えながら、リビングに入る。

ベランダの鍵をあけて、扉を(ひら)いた先。
そこには──

「っひ──」

腰が抜けた。
本当に驚いた時って、ちゃんと声が出せない。

人が、いる。
イケメンがいる。

本当に、人がベランダに落ちてる……!?
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