ひとつ、ふたつ、ひみつ。
ふん、と顎をしゃくらせながら笑われて、いつもの私ならすぐに反論するところだけど……。
「ねぇ、あっくん。今日は体育ないけど、体操着持ってきてる?」
「は? なんだよ、いきなり」
「いいから。ある? ない?」
「あるけど」
「本当? 貸してくれない? ジャージの上だけでいいの」
私が考えた作戦が、これ。
真尋くんは、今日はたまたま男子の制服に似た色の紺のパンツを履いているから、問題は上だけ。
私の体操着じゃサイズが合わないし、貸してなんて言える相手はあっくんしかいない。
「……なんで」
「えーと、私、今日ジャージ忘れてきちゃって」
「いらないだろ。体育ないんだから」
そりゃそうだ。
上手い理由も思いついてから、頼むべきだったか。考えなしすぎる。
部外者に着てもらうために、なんて言ったら、間違いなく怒られる。
どうしようかな。
男子のジャージが、必要な理由?
……ないです。
「……だめかな。あっくんの服が、欲しいの」
何も思いつかなくて、まっすぐに目を見て、もう一度ただお願いをする。
「ねぇ、あっくん。今日は体育ないけど、体操着持ってきてる?」
「は? なんだよ、いきなり」
「いいから。ある? ない?」
「あるけど」
「本当? 貸してくれない? ジャージの上だけでいいの」
私が考えた作戦が、これ。
真尋くんは、今日はたまたま男子の制服に似た色の紺のパンツを履いているから、問題は上だけ。
私の体操着じゃサイズが合わないし、貸してなんて言える相手はあっくんしかいない。
「……なんで」
「えーと、私、今日ジャージ忘れてきちゃって」
「いらないだろ。体育ないんだから」
そりゃそうだ。
上手い理由も思いついてから、頼むべきだったか。考えなしすぎる。
部外者に着てもらうために、なんて言ったら、間違いなく怒られる。
どうしようかな。
男子のジャージが、必要な理由?
……ないです。
「……だめかな。あっくんの服が、欲しいの」
何も思いつかなくて、まっすぐに目を見て、もう一度ただお願いをする。