ひとつ、ふたつ、ひみつ。
*
「お待たせ、真尋くんっ」
朝のホームルームが終わり、屋上の床に座って空を見ていた真尋くんに、声をかける。
私の手には、あっくんに借りたばかりのジャージの上着。
「こまり、会いたかった」
「!?」
離れていた時間は、30分もなかったと思う。
それだけで再会を喜んで、抱きしめてくるって、どういうこと。
「こ、こら、すぐ抱きしめないの……!」
「うん、ごめんね」
絶対に思ってないよ。
めちゃくちゃ口だけだな。
「はい。あっくんから指定のジャージ借りてきたから、これで学校の中に入れるよ」
「……」
真尋くんは、ジャージを受け取りはしたものの、両手で広げて、変な顔をしている。
なんていうか、不機嫌そう?
「これ、幼なじみくんのなの? なんかやだな」
「えっ? あ、真尋くん背が高いから、サイズ合わないよね。ちょっとちっちゃいかも」
「そういう意味じゃないけどね」
「洗濯してあるから、綺麗だと思うよ」
「違うよ」
「?」
「まぁ、分かんなくてもいいけど」
と、真尋くんはジャージの上着を羽織った。
「お待たせ、真尋くんっ」
朝のホームルームが終わり、屋上の床に座って空を見ていた真尋くんに、声をかける。
私の手には、あっくんに借りたばかりのジャージの上着。
「こまり、会いたかった」
「!?」
離れていた時間は、30分もなかったと思う。
それだけで再会を喜んで、抱きしめてくるって、どういうこと。
「こ、こら、すぐ抱きしめないの……!」
「うん、ごめんね」
絶対に思ってないよ。
めちゃくちゃ口だけだな。
「はい。あっくんから指定のジャージ借りてきたから、これで学校の中に入れるよ」
「……」
真尋くんは、ジャージを受け取りはしたものの、両手で広げて、変な顔をしている。
なんていうか、不機嫌そう?
「これ、幼なじみくんのなの? なんかやだな」
「えっ? あ、真尋くん背が高いから、サイズ合わないよね。ちょっとちっちゃいかも」
「そういう意味じゃないけどね」
「洗濯してあるから、綺麗だと思うよ」
「違うよ」
「?」
「まぁ、分かんなくてもいいけど」
と、真尋くんはジャージの上着を羽織った。