ひとつ、ふたつ、ひみつ。
*
私がそうしたように、真尋くんにも靴を脱いでもらって、屋上から抜け出す。
裏庭にある水道で靴の裏を洗い流したら、準備完了。
学校の中に入れたからといって、どこかの授業に出られるわけじゃない。
私たちはひとまず、ふたりで図書室へ移動することにした。
目立たないように、こっそりと。
……の、つもりだったのだけど。
「え、待って、イケメンが歩いてる。いたっけ? あんな人」
「あの人に今まで気づかなかったとか、あるわけなくない?」
「休んでた先輩とかなのかな」
「名前聞きたーい」
廊下を歩くだけで、ものすごく見られている。
私じゃなく、真尋くんが。
目立ちすぎている。
真尋くんをイケメンだと思うのって、私だけじゃなかったんだ。
当たり前だよね。
おまけに背はスラッと高いし、芸能人みたいなんだもん。
「真尋くん、あとでマスクしようね。私、教室から持ってくるから」
「なんで?」
「なんででも。絶対に」
私がここに連れてきたくせに、早くも真尋くんを隠したい。
この自分勝手な気持ちは、なんだろう。
私がそうしたように、真尋くんにも靴を脱いでもらって、屋上から抜け出す。
裏庭にある水道で靴の裏を洗い流したら、準備完了。
学校の中に入れたからといって、どこかの授業に出られるわけじゃない。
私たちはひとまず、ふたりで図書室へ移動することにした。
目立たないように、こっそりと。
……の、つもりだったのだけど。
「え、待って、イケメンが歩いてる。いたっけ? あんな人」
「あの人に今まで気づかなかったとか、あるわけなくない?」
「休んでた先輩とかなのかな」
「名前聞きたーい」
廊下を歩くだけで、ものすごく見られている。
私じゃなく、真尋くんが。
目立ちすぎている。
真尋くんをイケメンだと思うのって、私だけじゃなかったんだ。
当たり前だよね。
おまけに背はスラッと高いし、芸能人みたいなんだもん。
「真尋くん、あとでマスクしようね。私、教室から持ってくるから」
「なんで?」
「なんででも。絶対に」
私がここに連れてきたくせに、早くも真尋くんを隠したい。
この自分勝手な気持ちは、なんだろう。