苺ショートケーキ



オマケにクリスマスイヴに1人で公園。



これからどーしよう。



ドンドン気分が落ちていく。



「……寒い」



12月の夜は、容赦なくあたしの体を冷やす。



マフラーくらい、持ってきとけば…



“ふわっ”



「?!」



背後から、なにかが首に巻き付けられた。



驚いて後ろを向くと、



「心配させるなアホ」



ちょっとムスッとした大ちゃんがいた。



マフラー持ってきてくれたんだ。



「なんで言い逃げすんの」



大ちゃんは、あたしの隣にストンと腰を下ろす。



あたしはうつむいたまま、何も言えない。



「なんか勘違いしてるみたいだけど、俺、妹だなんて思ったことないよ」

「え」



えぇ…?!



「じゃ、なんで…」



分かんない。



“可愛い”のは、妹だからでしょ?



「俺がイチゴのケーキだけは食べれる理由、知ってる?」



大ちゃんの顔は、今まで見たこともないくらい真剣で、あたしの胸はドキドキと音を立てて加速していた。



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