苺ショートケーキ



「…知らない」



あたしは小さく首を横に振りながら言った。



「キョン、お前だよ」



え?



「あたし?」



そう聞き返したあたしに、大ちゃんは返事の代わりに微笑んだ。



「キョンの家族と俺の家族で、クリスマスしてたことあっただろ」



あたしはコクンと一度頷いた。



「その時に、寝てる俺にキョンがキスしてきて」

「…うん」



…て、は?!



え、ちょっと、えぇ!?



「し、知ってたの?!」



あたしが目を見開いて聞き返すと、大ちゃんは、



「もちろん」



平然とそう言って笑った。



「だ、だって、あの時寝てたよ!」

「あれ、空寝だよ」



アハハと笑う大ちゃん。



< 24 / 31 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop