冷血CEOにバツイチの私が愛されるわけがない~偽りの関係のはずが独占愛を貫かれて~


「そっか」

「なんか……逃げるみたいで、嫌だなって」


 ぽろっと心の内を口にしてみると、彩子先輩は「そんなことないよ!」と言う。


「確かに、そんな気にもなるけど、でもさ、自分のスキルアップのためって思ったら、過去のプライベートに邪魔される環境って自分のためにならないと思わない? それは逃げるとは違うよ」


 彩子先輩の言葉がすっと胸に落ちてきて、妙に『確かに……』と納得してしまう。

 あの人たちのことを気にしないで、自分がどうしたいか、どうなりたいのかを一番に考えたらいいんだ。


「彩子先輩に今そう言われて、確かにって思っちゃいました」

「でしょ? 知花ちゃんは仕事もできるし、向上心もあるし、もしやりたい仕事があるなら希望出すとかさ」


 入社から変わらずコミュニケーションチームで働いてきて、最近興味のある、従事してみたいと思う部署ができた。

 それが、様々なマッチングを取り扱うマッチングチームだ。

 婚活を目的にしたものから、専門職の職業マッチング。最近では、趣味を共に楽しむ相手を探すマッチングサービスなど、幅広いサービスを提供している。

 比較的新設されたばかりの部署のため、社員が新たなサービスを提案し、プレゼンして新サービスとして実現したりなどもしているというから興味深い。

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