冷血CEOにバツイチの私が愛されるわけがない~偽りの関係のはずが独占愛を貫かれて~
《大丈夫ですよ、ちゃんと、先輩が困らないように私も考えてますから》
「なに、いったいなんの話してい──」
《今回の記事の件、私が運命を握っているってことです》
私の声を遮った三ツ橋さんの声はきつく冷たい。
決して誰にでも見せるわけではない、これが彼女の本性……?
「どういうこと?」
《先輩、今から指定する場所に来てもらえますか。そこで取引きしましょう》
取引き……?
《先輩が私の話を呑んでくれれば、今回の件は記事を差し替えることもできます》
「あれはっ、あなたの仕業だったの!?」
思わず感情をむき出しにしてしまった私に、三ツ橋さんはふふっと笑う。
《落ち着いてください。詳しくは、これからお会いして話しましょう》
落ち着けるはずがない。
でも、三ツ橋さんは坦々と指定場所を口頭で伝えてくる。
《ひとりで来てください。私もひとりなので》
元夫は一緒じゃないのかと思いながら、「わかった」と返事する。
《では、お待ちしてますね。お気をつけて》
三ツ橋さんは言いたいことだけ言い尽くし通話を終わらせた。