冷血CEOにバツイチの私が愛されるわけがない~偽りの関係のはずが独占愛を貫かれて~
「嬉しかったです。私のことを、あんな風に言ってくれて……すごく、嬉しかった」
真っ当で、心が清らかで、一生懸命。
裕翔さんが私をそんなふうに言ってくれたことは、この先ずっと忘れることはない。
「あんな言葉じゃ全然足りない。でも、彼らに語るのも勿体ないとも思った。知花のいいところは、俺が一番たくさん知っていたい」
「裕翔さん……」
裕翔さんは腕を解き、私をリビングへと連れて行く。ソファに腰かけるように促された。
「あの場でも少し言ったが、記事に関しては削除、出した出版社から訂正と謝罪を公式でしてもらうことになった。同時に、会社として名誉棄損で訴える」
「私に、なにかすることはありますか」
「心配いらない、知花は普段通り過ごしていて問題ない」
裕翔さんは「そんなことよりも」と話を切り替える。
「そのせいで厄介なことになってる」
「え……なにがですか?」
「両親から、知花のことで聞きたいことがあると連絡があった」
それって、まさか──。
イベントの日にあの記事が出てから、ずっとそのことに気を取られていた。
でも、私の親だって記事を見て心配して連絡してきたのだ。
裕翔さんのご両親は、あの記事のせいで私がバツイチだということも知ってしまったということ。