冷血CEOにバツイチの私が愛されるわけがない~偽りの関係のはずが独占愛を貫かれて~
その後、坂東さんの運転する車で向かった先は裕翔さんのマンション。
エントランスの車寄せに停車をすると、裕翔さんは坂東さんにお礼を言って私を連れて降車する。
そのままエレベーターホールへと向かった。
「裕翔さん……」
なにから話せばいいのかわからず、名前だけ口にする。
裕翔さんはそんな私を見下ろし、柔和に口角を上げた。
「連絡が遅くなって悪かった。彼女の動向を追っていたところ、知花を呼び出したから説明するよりも先にあんな形で知らせることになってしまった」
「それは構いません。ありがとうございました」
エレベーターが到着し、裕翔さんの居住する階へと向かう。
「でも、裕翔さんが三ツ橋さんを追っていたことには驚きました。すでにわかっていたんですね」
「ああ、数日前には調べはついていた。近いうちに知花に接触してくるだろうと思っていたが、案の定だったな。単純でわかりやすい」
誕生日の日に招待してもらって以来の裕翔さんの部屋。玄関を入るとすぐ、裕翔さんは私を抱き寄せた。
大事そうに抱きしめてくれる腕に、自然と自分の手を添える。
「なにもされなかったか」
「はい、大丈夫です」
「ひどい言葉をかけられていて、何度途中で出て行こうかと……」
私へ心を寄せてくれる裕翔さんの優しさに、胸が締め付けられる。
横に首を振ってもう一度「大丈夫です」と伝える。