冷血CEOにバツイチの私が愛されるわけがない~偽りの関係のはずが独占愛を貫かれて~
「ごめん、仕事の電話だった」
リビングの大きなガラス窓の前で通話をしていた裕翔さんがとなりへと戻ってくる。
「これから一旦、会社に戻らないといけない」
土曜日で社員が休日でも、裕翔さんは仕事で多忙を極めている。
そんな中で、今回のフェイクニュ―スの件でも動いてくれていたのだから、感謝してもしきれない。
「お忙しいのに、本当にありがとうございます」
「なにを言ってるんだ。仕事を差し置いても、知花の名誉を守るほうが俺には重要事項だ」
こうやってさらりと当たり前のようにときめく言葉をくれるから、勝手に想いが高まってしまう。
だめなのに。心のどこかでそう思いながらも、嬉しくて……。
「さっきの話だけど、来週末に創立三十周年の記念式典があるだろう」
「はい、ちょうど一週間後ですね」
今年でちょうど、ナナセホールディングスは三十周年を迎える。
来週の土曜日には周年記念式典が行われることが予定されていて、ホテルにてかなり大規模なパーティーが行われる予定だ。
「その席で、両親に改めて知花とのことを話したいと思っている」
「私とのこと、ですか……?」
「もう一度、両親に会ってもらえるか」
断る理由はもちろんなく、即答で「わかりました」と返答する。
ただ、バツイチだということを知って印象は変わっただろうし、もしかしたらそれなりのお怒りを受けることにもなるかもしれない。
でも、それも含めて私の役割、使命だ。
裕翔さんは「ありがとう」と言って、私の髪を指で梳いた。