冷血CEOにバツイチの私が愛されるわけがない~偽りの関係のはずが独占愛を貫かれて~
「やっと会えた、 会いたかったよ、知花さん」
「ご無沙汰しております」
驚きを抑えて頭を下げる。
お祖父様はやってくると、裕翔さんの腕をぽんと叩いた。
「裕翔、結婚の段取りは進んでいるのか? わし が身動き取れるうちに式を挙げてくれよ」
そう言ったお祖父様に、お母様は「お義父様!」と慌てた声を上げる。
「父さん、話をややこしくしないでくれ。今、この結婚は認められないと話していたところなんだ」
「認められない? なぜだ」
明るかったお祖父様の表情が変わる。
「なぜって、ナナセのためにも、裕翔には結婚相手を選んでもらわないといけないでしょう」
お父様の説明に、お母様も「そうですよ」と切なそうに顔を歪める。
こんな風に私がバツイチだというせいで裕翔さんの家族が揉めるのを見ているのが辛い。
いっそのこと、今この場で自分は裕翔さんの本物の相手ではないと告白してしまいたい。
そんな良心が姿を現すけれど、となりにいる裕翔さんの綺麗な横顔を目にするとその気持ちは鎮まった。
「いいや。ナナセのためにも、裕翔には自分で選んだ女性と一緒になってもらうべきだと思うがな」
「父さん!」
「裕翔はわしに似てこうと決めたことは曲げないぞ?」
お祖父様は「そうだろう?」と裕翔さんに笑いかける。