冷血CEOにバツイチの私が愛されるわけがない~偽りの関係のはずが独占愛を貫かれて~
絶対に粗相をしないこと。
余計なことはせず、七瀬CEOに倣って行動すること。
でも、ご両親が進めようとしている七瀬CEOの縁談を取りやめにしようと思える女性を演じなくてなならない。
決めたベージュのワンピーススーツに着替え、洗面台の前に立つ。
メイクは、決して派手にならないように。でも、好印象に見えるよう、普段よりも丁寧に仕上げた。
髪型は、鎖骨下までのセミロングは毛先だけまとまるようにひと巻きし、今日はハーフアップにして清楚な雰囲気にしてみた。
これで大丈夫だとは思うけれど、あとは七瀬CEOと実際に会ってみて、なにか指摘を受けたらどうにかするしかない。
準備を終えても落ち着いて座っていられず、部屋の中をうろうろ。
そんな中、突然部屋のインターホンが鳴った。
こんな時に誰だろうとモニター画面を見て、驚きで「ひっ」と思わず声が漏れ出た。
七瀬CEO……!?
予定では、もう少ししたらこの社用マンションに迎えがきて、食事の予約をしているという日本橋の老舗ホテルに向かうと聞いていた。
それも、普通にタクシーかなにかを用意してもらっていると思っていたのに、まさか七瀬CEOが直々に訪ねてくるなんて思いもしない。
慌てて玄関ドアに向かい、ドアを開いた。