冷血CEOにバツイチの私が愛されるわけがない~偽りの関係のはずが独占愛を貫かれて~


 今日一日は、普段自分が生きている世界とは違う別世界での出来事を体験したような印象だった。

 過去、結婚する前にやっぱり同じような顔合わせがあったけれど、今日とはまったく別物。

 もちろん一般庶民と比べてはいけないけれど、今日はそんな別世界を垣間見ることができる貴重な一日だった。

 部屋に帰り、早急にワンピースを脱いでハンガーにかける。改めて部屋の一角にかけたハイブランドのワンピースを眺めて感嘆のため息が漏れた。


「……うわ、すごい。なにこのケーキ……」


 いただいたケーキの箱をそっと開けてみると、直径十五センチほどのホールケーキが出てきた。

 パステルカラーの淡いブルーのケーキには、クリームのデコレーションと、いろいろな種類の花を模した砂糖菓子が載っている。

 食べるのが勿体ないビジュアルだなと、そっと箱を閉めた。

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