冷血CEOにバツイチの私が愛されるわけがない~偽りの関係のはずが独占愛を貫かれて~
「俺らの異動、お前が関わってるとしか思えないんだけど、どういうことか説明してもらえるか」
「え……?」
「とぼけるのか。どうせ、会社になにか訴えたんだろ。そうでもなきゃ、希望も出してない俺たちが同時に異動になるはずがない。俺に関しては地方オフィスだ。おかしいだろ?」
それに関しては私自身も疑問に思っているけれど、確かな答えはない。
でももし、七瀬CEOからなにか聞いていたとしても、それはそれで本人たちに言えるはずもない。
「申し訳ないけれど、私はなにも知らない。話せることもない」
ふたりが揃ってこんなところにいるのは何故だろうと思ったけれど、今になってやってその理由がわかる。
私に文句のひとつでも言ってやろうと思ったのだ。
「まぁ、先輩も大変なんだし、あまり責めたらかわいそうですよ」
絶対にそんなこと思っていないだろうという口調で後輩が口を挟む。
「先輩が異動になったところ、まだ若い部署だし、超大変だって聞いて。そんなところに飛ばされて、やっぱり冷血CEOを恨んでますか?」
きゃきゃっと笑う後輩を目に、自然と奥歯を噛みしめる。
「過労死とかしないでくださいね~。そしたら私、悲しくて──」
「今の言葉は取り消して。冷血CEOなんかじゃない」