冷血CEOにバツイチの私が愛されるわけがない~偽りの関係のはずが独占愛を貫かれて~
正直、この間あの夜空と夜景を前にして言われた言葉は本当なのか。
私の中で信じられない部分も大きく、時間の経過と共に現実味が薄れ始めていた。
婚約者のフリの続行を頼まれたのにはまたなにか訳があるかもしれないけれど、私にとって七瀬CEOとの関わりは未だにふわふわしている夢のような感覚がある。
エントランスを出て、向かいのビルには近くの横断歩道を渡って向かう。
並んで信号待ちをしながら、ふと、周囲からの視線を感じる。
この辺りにはうちの会社の人間も多くいるし、それ以前に七瀬CEOは世間的に顔の知れ渡っている人。
メディアにも顔を出しているし、その上この容姿だから話題になった時期もある。
七瀬ホールディングスのCEOが女性といるというだけで変な噂を立てられるんじゃないかと、私が心配になってしまう。
落ち着かない気持ちで向かいの複合ビルに入ると、七瀬CEOはこの辺りでも人気のイタリア料理店に入った。
ランチどきということもあり、店内はお昼をとる人々で賑わっている。
それでもタイミングがよく、待つことなく二人掛けのテーブル席に案内された。