冷血CEOにバツイチの私が愛されるわけがない~偽りの関係のはずが独占愛を貫かれて~


 ご両親とお会いした席と、先日のお腹を鳴らしてしまったとき、過去二回七瀬CEOとは一緒に食事をしている。

 でも、こういった気軽な感じに入れるお店は初めて。

 七瀬CEOは先に私にメニューを手渡す。


「好きなものを」

「はい。では……この、ランチのガレットセットにします」


 私が決めたものを「どれ」とメニューを覗き込む。


「俺も同じものにしよう」

「わかりました」


 手を挙げて人を呼ぼうとしたところで、七瀬CEOが先に手を挙げスタッフを呼ぶ。

 すぐにスタッフが気づき席へとやってくると、七瀬CEOがスマートにオーダーを済ませてくれた。


「すみません、ありがとうございます」

「〝すみません〟は、口癖なのか」

「え?」


 七瀬CEOがいきなりそんなことを訊いてきて戸惑う。

 口癖ではないと思うけど、もしかして結構言っちゃってる……?


「口癖では、ないと思うのですが……」

「今もなにもしていないのに言っていたぞ」

「今のは、私がオーダーしようと思ったところに、代わりにしてくださったからで」

「それなら、〝ありがとうございます〟だけでいいだろ?」


 あ、そっか……。


「たしかに、そうですね。相手が七瀬CEOだから、それが自然現象というか……」

「なんだ、自然現象って。それに、その呼び方。仕事中はそれでいいが、プライベートな時間は名前で呼ぶのが普通だろう。婚約者なんだから」

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