冷血CEOにバツイチの私が愛されるわけがない~偽りの関係のはずが独占愛を貫かれて~
さらりと言われた言葉で、この間の話は生きているのだと確認する。
「慣れるまで仕方ないかもしれないが、対等に、ひとりの男として見て欲しい」
真っすぐ見つめられてそんな言葉をかけられたら、心臓は驚いたように音を立てる。
対等に、ひとりの男としてなんて……!
なんと返答すればいいのか困惑していたところに、ドリンクが運ばれてくる。
七瀬CEOはブレンドコーヒー、私はアイスティーだ。
「わかり、ました。尽力します」
ドリンクを運んできたスタッフが立ち去ってから返答すると、七瀬CEOは「だから、その話し方も硬い」と私に突っ込んだ。
こうして向かい合って話しをしていても、周囲からの視線を感じて落ち着かない。
なんとなく店内に目を配ると、必ず数人の人と視線がばちっと合うのだ。
もうこれは気のせいのレベルではなく、確実に注目されている。
オーダーしていたガレットがテーブルに届き、揃ってナイフとフォークを手に取った。
「ここのガレット、まだ食べたことがなかったんだ」
「そうなんですね」
「知花はあるのか」
ナチュラルに下の名前で呼ばれてまた鼓動が跳ねる。
「はい。前に一度だけですけど。人気店だからランチの時間は入れなかったりで」