冷血CEOにバツイチの私が愛されるわけがない~偽りの関係のはずが独占愛を貫かれて~


 直径三十センチ以上あるプレートの上に載る大きなガレットは、そば粉百パーセントの生地で外はパリっとしていて、中はもちもち。

 今日のランチガレットは、卵に生ハム、上にはアスパラガスが丸ごと一本乗っていて見た目もオシャレだ。

 ガレットの種類が豊富で選ぶのに悩むから、前回きたときもランチガレットを選んだ。

 アスパラガスをナイフで切りながら、ふと視線を上げて七瀬CEOに目を向ける。

 優雅に食事をする姿は、相変わらず周囲のことには我関せず。

 でも、やっぱり周りからの視線を感じてならない。

 少し離れた席にいる数人のグループの女性たちが視界に入り、そのうちのひとりがスマートフォンを不自然にこっちに向けてなにやら盛り上がっている。


「あの……もしかしたら、盗撮されているかもしれないです」


 確信はないけれど、そんな気がしてこっそりと伝えてみる。

 すると七瀬CEOは振り向いて確認しようとする素振りもなく、「気にするな」と言う。


「別になにもやましいことはしていないし、撮られていても困らない。よくあることだ」

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