冷血CEOにバツイチの私が愛されるわけがない~偽りの関係のはずが独占愛を貫かれて~
「それって、前に話してたバツありの人向けのマッチングサービスでしょ?」
「はい、そうです」
「そっかー。うまくいって実現したらいいね。楽しみだな」
「ありがとうございます。頑張ります!」
テーブルには、オーダーした串揚げが運ばれてくる。
うずらの卵、しいたけ、アスパラガス、イカ、豚ロース……。どれも揚げたててで美味しそう。
「あ、そういえばあの話はどうなったの? 実家に帰って、お見合いって話。もうすぐお盆休みもあるし」
彩子先輩はうずらの卵の串揚げを手に取りながら話題を変える。
前回飲みに行ったあと、彩子先輩にはお見合いの話の続きをしていない。
「前に話した直後、ゴールデンウイークに帰って来てって言われたんです。相手の家族と食事会をするからって」
「え、盆休みどころかゴールデンウイークに早まったんだ。帰ったの?」
「まさか、帰らないですよ。仕事で帰れるほどの時間ないってごまかしました」
「そっか。じゃあ、そろそろお盆の予定聞かれる頃じゃない」
彩子先輩の言う通り、そろそろ実家から連絡が来そうな時期だ。
お盆休みには、いよいよお見合いをセッティングされそう。
これまで逃げてきたものの、次はどうしようか悩む。