冷血CEOにバツイチの私が愛されるわけがない~偽りの関係のはずが独占愛を貫かれて~
七月最後の金曜日。
「ありがとうございました」
会議室を出ていく面々に頭を下げて挨拶する。
企画書が通りプレゼンが予定されてから、早二週間。
業務以外にも今日のために準備を進める日々は多忙であっという間だった。
従来のマッチングサービスとは異なる、結婚経験者向けのマッチングサービスの提供。
業界ではまだお目見えしていないサービスの内容に、プレゼン後の質疑応答では多くの質問が上がった。
多く称賛の声もかけてもらい、それだけで企画が通ろうと通らまいと今は達成感しかない。
「お疲れ様」
この後にここの会議室の利用がないと聞いていて、焦らずに撤収の準備をしていると、誰もいなくなった会議室で声をかけられた。
「七瀬CEO、お疲れ様です」
今日は本社会議室にてプレゼンを行った。
七瀬CEOには会うことはなかったけれど、今日は外出などなくこの建物にいたのだろうか。
少し明るめなネイビーのスリーピースに、ブラウンのペイズリー柄のネクタイを着用する七瀬CEOは今日もオシャレな着こなしだ。
「プレゼン、見させてもらっていたよ」
「えっ、そうだったのですか?」
気づかぬ間に見てもらっていたらしい。プレゼン中はいっぱいいっぱいだったから、気づかなかったようだ。