冷血CEOにバツイチの私が愛されるわけがない~偽りの関係のはずが独占愛を貫かれて~


【今から向かうけど、こんなすごい料亭に行くの?】

 と、驚きの一文が。

 検索して驚いたのだろう。銀座の一等地にある老舗料亭だ。

 大丈夫だからそこに来てほしいと返信をし、スマートフォンをバッグにしまった。

 程なくして、七瀬CEOが運転する車も目的地付近の駐車所へと車を入れる。


「大丈夫でしょうか……。たぶん、相当驚いてしまうかと」

「大丈夫だ。俺に任せて、知花は話を合わせてくれてさえいればうまくいく」


 七瀬CEOは自信たっぷりの様子。

 以前、七瀬CEOのご両親と会うことになった私とは大違いで、どっしりと余裕に構えている。

 やっぱり、私とは器が違うのだ。

 七瀬CEOの後について向かった料亭には、まだ両親が到着している様子はない。


「七瀬様、お待ちしておりました」


 会食等で利用することなどあり、顔なじみなのかもしれない。七瀬CEOがやってくると店頭のスタッフが丁寧に挨拶をした。
 そんなときだった。


「知花?」


 後方から母の声が聞こえ、驚いて振り返る。


「やっぱり知花だわ、お父さん、ここであってたわよ」


 エレベーターホールから現れた両親が揃ってこっちにやってくる。

 私を見つけた次に注目しているのは、となりにいる七瀬CEOの存在。

 対面すると、七瀬CEOも両親も互いに頭を下げた。

< 78 / 172 >

この作品をシェア

pagetop