冷血CEOにバツイチの私が愛されるわけがない~偽りの関係のはずが独占愛を貫かれて~
「今日のさ、ジミーうさぎとのコラボ会議。三ツ橋さんが担当だった資料がミスっててさ、先方が混乱してたよ」
彩子先輩の出してきた話題に「え?」と口をつけていたビールグラスをテーブルに置く。
「そうなんですか? なんか、会議前にわたわたしてましたけど。てっきり準備万端で会議に挑んだと思ってました」
「だよね。私もそれ見てたから、え?と思ったよ。いったいなにを騒いで対応してたんだって。で、結局涙目でさ……周りが困っちゃうよね」
「そうだったんですね……」
「まったくさ、男に色目使うのだけは一丁前で。そういうのは仕事ちゃんとできてからにしてほしいよね」
そんな話をしながら、そのときのことを思い返す。
つい小さくため息が出てしまった。
「知花ちゃん、環境辛くない? 私が知花ちゃんの立場だったら、絶対退職しちゃってるから」
私が職場恋愛して結婚し、相手の職場内不倫によって離婚した一連の事情を彩子先輩は知っている。
離婚したあとも、同じ部署に元夫とその相手の女がいて、その環境で仕事をしていることをいつも心配して気にかけてくれているありがたい存在だ。
仕事中も、私があのふたりと極力関わらないように間に入るなどして気遣ってくれたり、余計な心配をさせてしまっていて申し訳なく思っている。
私のプライベートな事情のせいで、業務で迷惑をかけてしまっている現状はどうにかしたい。
気にしないでくださいと彩子先輩には話しているけれど、そうはいかないと気にかけてくれる気持ちもよくわかる。
私が彩子先輩の立場だったら、やっぱり同じようにしてしまうだろうから。