冷血CEOにバツイチの私が愛されるわけがない~偽りの関係のはずが独占愛を貫かれて~


 十七時時過ぎに退勤して、向かった先は会社最寄り駅からほど近い居酒屋。


「じゃ、お疲れー」

「はーい、お疲れ様です」


 グラスを軽く合わせて乾杯をし、冷たいビールを喉に流し込む。

 退勤時間近く、「夕飯食べて帰らない?」と誘ってくれたのは、同じチームの二年先輩、川口彩子(さいこ)先輩。

 私と彩子先輩が所属するコミュニケーションチームは、日本最大のメッセンジャーアプリを運営している。

 スマートフォン普及当初にサービスを開始し、今ではスマートフォン所有者の九割以上が利用するコミュニケーションツールへと成長。うちの会社の事業で代表的なものとなっている。

 ナナセコミュニティは、情報系・ⅠT企業として一九九〇年に起業し、インターネット検索エンジンのサービスをスタートしたことで話題に。

 当時は国内でそのようなサービスを展開している企業がなく、業績はうなぎ上りだったという。

 その後ホールディングスを設立しナナセグループは急速に拡大。複数の事業会社が時代の一歩先を行くサービスを展開し続け、今もなお上場企業体として君臨している。

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