生徒会長と私
「ありがとうございました」
私の家について玄関の前で氷室先輩に頭を下げる。
一緒に赤いリボンが上に舞い上がって下へと垂れた。
「当然のことをしたまでだ。礼には及ばない」
と相変わらず表情が崩れない。
「あの、もう大丈夫です」
一歩も動こうとしない先輩に
今回のことで小言でも言いたいのだろうか? と心配になった。
「ちゃんと玄関の仲間で入ったら帰る」
「………あっハイ」
急いで玄関のドアを開けて中へと体を入れるがすぐに振り向く。
ー先輩って何を考えているかわからないと思っていたけど
かなり心配性? それとも世話焼き? どっち?
と思いながら玄関のドアを開けて中へ入ってドアを10センチくらい
開けたまま、「入りました。大丈夫です。先輩」と真面目な顔をして返した。
「じゃあ、また、明日学校で」と行って先輩は背中を向けて夜の道を
商店街の方へと歩いて行く。
その背中を見ながら、
踵を返すときに一瞬、ホッとした目元が緩んだ
ように見えたのは私の気のせいだった?

この夜、ずっと考えすぎて眠れずに夜を過ごした。
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