二匹の神使な妖獣からの溺愛が止まない
二匹の妖獣
その娘は400年ぶりの稲荷神の子として誕生した。
禁忌によって生まれたその稲荷姫は九本の尻尾を持つ九尾狐として強い力を手にしていた――。
~惺音~
それはあまりにも突然だった。
16歳の誕生日を目前にした3月。
4月からは高校生活が待っていて、あたしは春からの高校生活に思いを馳せているところだった。
あたしの世話係である蓮麻が、話があると言って、妖の世界からたまにしか戻らないこの人間界に足を運んだ。
「もう一度言って」
「ですから、惺音様には新しい従者を作る必要があると申し上げました」
「あたしの新しい従者?」
あたしは蓮麻に繰り返し言われた言葉に、ソファに肘をついたまま、眉をひそめた。
御饌津 惺音。
れっきとした妖の生まれ、というか高貴な血筋の九尾狐。
それでも3歳から人間の世界で暮らしているあたしには、ずっと世話役として蓮麻がそばにいた。
まあそばに、と言っても常にそばにいたわけではない。
1か月に何回かあたしのところにやってきて、あたしの用事を聞いてはそれを果たす。
それが蓮麻の役目。
常駐はしてないけど執事みたいなものかな。
屋敷には常にお抱えのメイドやコックなんかがいるから蓮麻が常にそばにいなくても生活には困らない。
訳あって親にも会えないあたしは一人で育ってきたようなもの。
それが突然、従者を作れって…?
禁忌によって生まれたその稲荷姫は九本の尻尾を持つ九尾狐として強い力を手にしていた――。
~惺音~
それはあまりにも突然だった。
16歳の誕生日を目前にした3月。
4月からは高校生活が待っていて、あたしは春からの高校生活に思いを馳せているところだった。
あたしの世話係である蓮麻が、話があると言って、妖の世界からたまにしか戻らないこの人間界に足を運んだ。
「もう一度言って」
「ですから、惺音様には新しい従者を作る必要があると申し上げました」
「あたしの新しい従者?」
あたしは蓮麻に繰り返し言われた言葉に、ソファに肘をついたまま、眉をひそめた。
御饌津 惺音。
れっきとした妖の生まれ、というか高貴な血筋の九尾狐。
それでも3歳から人間の世界で暮らしているあたしには、ずっと世話役として蓮麻がそばにいた。
まあそばに、と言っても常にそばにいたわけではない。
1か月に何回かあたしのところにやってきて、あたしの用事を聞いてはそれを果たす。
それが蓮麻の役目。
常駐はしてないけど執事みたいなものかな。
屋敷には常にお抱えのメイドやコックなんかがいるから蓮麻が常にそばにいなくても生活には困らない。
訳あって親にも会えないあたしは一人で育ってきたようなもの。
それが突然、従者を作れって…?
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