二匹の神使な妖獣からの溺愛が止まない

初めてのデート、初めての喧嘩

~煌~

悪霊によって手傷を負わされた俺は、何日か実家で休養してからようやく人間界に戻った。



休んでる間、惺音と蘭が毎日見舞いに来てくれて。



でも俺は惺音と2人きりになれなくて不満。



せっかく両想いということになったが、これじゃ前と何にも変わらない…。



「煌、おかえり!」

「ただいま。ずっと家空けてて悪かった」

「いいよ、気にしないで」



でも俺を迎え入れてくれる惺音の笑顔はすげえかわいい…。



「惺音、こっち来て」



そう言って惺音の手を引いて俺の部屋まで連れて行こうとした。



「どこ行くの? せっかく煌くんの快気祝いパーティーしようと思ったのに…」



蘭が水を差してきた。



「うるせえ。俺は惺音と2人になる」



そう言うと、惺音の顔がたちまち真っ赤になった。



こういう反応もたまらね…。



俺の惺音だ。



「スケベ狐…」



そう言う蘭を無視して惺音をそのまま部屋まで引っ張った。



部屋に入って俺は部屋に鍵をかける。



そのまま惺音にキスをした。



「んっ…」



突然のことでよろめく惺音。



少し長めのキスをして顔をゆっくり離すと、惺音の顔は赤いままゼーハー息をしてる。



「ははっ、息継ぎしろよ」

「できないよっ…」



そう言って俺のことをたたく。



「暴力嫁だな」

「嫁っ…」



いちいち反応がかわいい。



俺のものになったという実感が沸いて、なんだかとんでもなく満たされた気持ちになった。



くぅ~…好きすぎる…。



俺も相当浮かれてんな…。



俺が内心悶えてるのも知らず、惺音が、俺の服の裾をくいくいっと控えめに引いた。
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