二匹の神使な妖獣からの溺愛が止まない
~煌~

翠が生まれて7年が経つ。



もうすぐ翠が俺たちの元に帰ってくる。



今日は最後の面会日。



これが終われば来月からは晴れて俺たちと一緒に生活することになる。



いつものように親父の屋敷に行くと、トタトタと走ってくる翠。



「翠~!」



翠もだいぶ大きくなった。



しっかりとした足取りで俺たちに抱き着く。



「母様、父様、お絵かきしたから見て!」



そう言って俺たちの手をぐいぐいと引っ張る。



「じゃーん!」



そう言って見せられたのは、襖にでっかく描かれた絵。



多分、俺と惺音と翠の3人が手を繋いでる絵なんだけど…。



「翠、上手いじゃん」



とりあえず褒める。



だけどな…。



「こんなところに描いたらダメだろ」

「だって…たくさん描けそうと思ったから…」



翠はすでに涙目だ。



翠はまじで泣き虫…。



俺は翠の頭に手を乗せる。



「惺音、やってくれるか?」

「はいはい」



惺音が襖の絵を人差し指でぐるっと囲み、手をそっと握った。



途端に絵が消える。



「消えちゃった…ウワーーン!」



そう言って翠が大声で泣く。



「翠、大丈夫だよ」



惺音は言って、近くにあった画用紙に握っていた手をそっと開いた。



途端に画用紙の上に翠の絵が現れた。



翠がそれを見て泣き止む。



「翠、これからはちゃんと紙に描きなさい」

「ごめんなさい…」



俺と惺音は笑顔を向けた。
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