神殺しのクロノスタシス7〜後編〜
…翌日。

俺は、話し合いの為にシルナのもとに向かった。




「おい、シルナ…。ジャマ王国の、」

「これを見てよ、羽久…」

「…何だよ?」

学院長室に向かうと、シルナは神妙な面持ちで、椅子に腰掛けていた。

腕を組み、目を伏せて、真剣な表情で。

…さすがのシルナも、この度の事態を重く受け止めているようだ。

…そうだよな。

ジャマ王国…『アメノミコト』との騒動は勿論。

その前の…キルディリア魔王国との揉め事も、収束したとは言い難い。

ひとまず、ルーデュニア聖王国の危機は去ったが。

キルディリア魔王国と、神聖アーリヤット皇国との戦争は、まだ続いている。

そのことについても、考えなきゃいけな、

「私はね、ずっと思ってたんだ」

「…何を?」

「最近、フルーツサンドって流行ってるでしょ?」

…は?

「…フルーツサンド…って…」

「え。知らない?生クリームとフルーツを挟んだサンドイッチだよ」

「いや、それは知ってるけど…」

突然何の話だ?ってことだよ。

…フルーツサンド?は?

「あれって美味しいけどさ…。白いよね」

「…??」

「私は思うんだよ。フルーツサンドに挟んであるクリームが、白い生クリームじゃなくて、チョコクリームだったら、もっと美味しいんじゃないかな、って」

「…」

…ごめん。本当に何の話?

困惑を抑えられない。

「更に、サンドイッチのパンも、白じゃなくて…ココア生地のパンだったら、もっと美味しいよね」

「…」

「ついでに、フルーツじゃなくてチョコを挟んだら、もっともっと美味しいと思わないっ?」

なんか、目を輝かせてんだけど。

何?いきなり。

少なくとも、危機感は欠片も感じられない。それだけは確かである。

「そこで、私は開発したんだよ。ココア風味のチョコ食パンに、たっぷりのチョコクリームと、そして贅沢に、3枚の板チョコを挟んだ…シルナ特製フルーツチョコサンドを!」

じゃじゃーん、とばかりに。

シルナは、大きなお皿を見せつけてきた。

そこには、大量の…黒いサンドイッチが。

「これが私の考えた、究極のフルーツサンドだよ!」

ドヤァ。

…。

…とりあえず、1個言って良い?

「…それ、フルーツ入ってないんだから、フルーツサンドではないだろ」

「あ、そっか…。中身は板チョコだもんね。それじゃあ…究極の、チョコサンドイッチ!」

再び、ドヤァ。

…。

とりあえず、もう1個言って良い?

「…そんなことやっとる場合かっ!!」

「あ痛っ!!」

俺は、シルナの脛を力いっぱい蹴っ飛ばしてやったのだった。
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