神殺しのクロノスタシス7〜後編〜
王都ファニレスを案内する、と言われ。

まず連れて行かれたのは、キルディリア国立魔導師学校。

…ここ、知ってる。

学院長と羽久も、ここに連れて行かれたんだろう?

なんでも、キルディリア魔王国で一番優秀な、魔導師養成校だそうだが。

それも、将来は上級魔導師になることを嘱望されている、エリート校らしい。

「私もこの学校の出身なんです」と、ブラマンジュちゃんが言うと。

「実は、私も」と、エリトール君も補足した。

二人共、ここ母校なのかよ。

学校の教師達も、さぞや誇らしいだろうよ。

卒業生が二人も、上級魔導師の登竜門とも言われる、専属見習い魔導師に選ばれたのだから。

…けっ。

それよりも驚いたのは、このキルディリア国立魔導師学校が、あまりにもイーニシュフェルト魔導学院と酷似していたことである。

曰く、この学校は、イーニシュフェルト魔導学院をモデルに造られたらしいが。

モデルっていうのは、何もかも同じにする、って意味じゃないぞ。

あまりに似過ぎていて、一瞬、ここはキルディリアではなく、母国の母校なんじゃないかと錯覚を起こしたほどだ。

いや違うから。ここ、俺達の母校じゃないから。キルディリアだから。

「気持ち悪いくらい、イーニシュフェルト魔導学院にそっくりですね」と、ルイーシュが言うと。

シディ・サクメに、「ありがとうございます」と、笑顔で頷かれた。

嫌味のつもりだったのに、褒められたと勘違いしたらしい。

褒めてねーよ。

あと、何もかも同じにしたいなら、畑が足りないぞ。園芸部の畑。

まぁ、そこまで再現されていたら、似ているを通り越して、最早不気味だな。




…と、ここまでは、学院長と羽久も見学していた。

キルディリア国立魔導師学校を、隅々まで案内された後。

俺達はそのまま、王都にある、大きな美術館か、博物館のような出で立ちの施設に連れて行かれた。

「何なんですか?ここ…」

と、ルイーシュが尋ねた。

美術館?…それとも博物館?

ルイーシュはともかく、俺は美的センスなんてものは、欠片も持ち合わせちゃいないからな。

高価な美術品を見せられても、何とも思わんぞ。

しかし、そこは美術館ではなかった。

「はい、こちらはキルディリア国立中央図書館になります」

と、シディ・サクメが言った。

…図書館だってさ。へぇ。
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