神殺しのクロノスタシス7〜後編〜
…やべ。

「は?」って言ってしまった。

「えぇと…すみません、何か…?」

「あのぅ…。実は、道に迷ってしまって…」

おばあさんは、おずおずとそう言い出した。

「そうですか?…どちらに?」

「それが…。セレーナの中央市役所に行きたいんですけど…」

中央…市役所。

それは…。…ここからは、真反対の方向だな。

「…?…??」

ベリクリーデは、こてーん、と首を傾げていた。

お前って奴は。

王都に暮らして何年にもなる癖に、王都セレーナ市役所の場所も分かっていないのかよ。

あぁ、もう。

一応、俺も聖魔騎士という…謂わば、公務員だからな。

こういった、些細な市民の手助けも、俺の仕事の一環だよ。

「分かりました。ご案内します」

「良いんですか?」

「はい。大丈夫ですよ」

ここからなら、ゆっくり歩いても…まぁ、15分ほどもあれば辿り着くだろう。

「ベリクリーデ、悪いんだが、しばらくここで待っててくれるか」

「…ふぇ?」

お前、中央市役所の場所知らないみたいだし。

連れ回すのもアレだから、ここで待っててくれ。

「30分…いや、20分くらいで戻るから」

「うん、いいよー」

よし。

「それじゃ、一緒に行きましょう」

「すみませんねぇ。ありがとうございます」

「どういたしまして」

俺は、おばあさんに手を貸しながら、中央市役所に向かって歩き出した。
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